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クリスロックの発言が海外で擁護される理由「白人差別された倍返しが当たり前なアメリカの風習」

chrisrock ニュース
2022.03.29
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ウィル・スミスが自分の奥さんへ差別発言した司会者、クリス・ロックへ平手打ちしたことが日本や海外で話題になっています。しかし日本と違って海外では差別発言をしたクリス・ロック本人を擁護する発言があちこちで出ているとのこと。

なぜこんな事態になってしまうのか？事件が起きた当時の状況や、アカデミー賞運営の対応や白人差別を受けてきたというクリスロックの過去を紐解きながら、理由に迫ります。

クリスロック差別発言が海外でなぜか賛否両論に

ハリウッドで行われたアカデミー賞の授賞式で、有名俳優のウィル・スミスが司会者のクリス・ロックを平手打ちしたニュースが世界中で大きなニュースになっています。

ウィル・スミスがビンタした理由はクリス・ロックが奥さんに対する差別発言に対する抗議とのことですが、なぜか海外ではビンタされるキッカケを作ったクリス・ロックを擁護する声が目立つと報道されています。

その一方で、むしろロックを擁護しスミスを非難する声が目立ち、

「ウィル・スミスよりずっと品がある！真のプロフェッショナルだ！テレビの生中継で、冗談で他人を襲っておいて、オスカーを受賞して拍手喝采なんて理解できない！」

「ウィル・スミスを暴行罪で告訴するべきだ。あなたにはその告発をサポートする１０億の目撃者と映像証拠がある」

「ハリウッドで他の俳優や女優のジョークを言う人は、公の場やプライベートで平手打ちや暴行を受けなければならないということなのでしょうか？」

「ウィル・スミスがあなたに暴行を加えている間、ハリウッドの大物たちが何も言わずに座っていたなんて信じられないわ。私は何十年も彼のファンですが、誰もあなたのために立ち向かわなかったことに本当に怒りを覚えます」

「ウィル・スミスはあなたを殴った後、部屋から連れ出されることもなく、賞を受け取り、アカデミーには謝ったのにあなたには謝らず、愛と平和について話し、泣くなんて、頭がおかしくなりそうだ。クリス・ロック、あなたの潔さに拍手です」

「スミスは恐ろしいことをしたので、これからその代償を払うことになるでしょう。人々は彼の暴力と品のなさを非難しています。冷静に行動したあなたに賞賛を送ります」

といったコメントが見受けられた。

出典：よろず～（yahooニュース）

ウィル・スミスの奥さんに投げかけられた差別発言は脱毛症という女性にとって非常に大きな悩みとなる病気をイジリ倒したものでした。日本で同じようなことが起きたなら、当然のように大炎上するような話です。

もちろん妻のジェイダ・ピンケット・スミスさんにとっても、クリス・ロックの差別発言は笑って受け流せるようなものではありませんでした。発言を受けた時の表情は明らかに戸惑い、どうリアクションしていいか混乱している様子です。

ウィル・スミスも最初こそ何とか笑って受け流そうとしましたが奥さんが傷ついていることに気が付いてからはすぐに抗議の意味で平手打ちしたわけですが、それに対する海外の反応は真っ二つ。

日本人の感覚だとクリス・ロックだけが大炎上しそうに思えますが、なぜ海外では賛否両論になっているのでしょうか？日本と海外との感覚の違いと言ってしまえばそれまでですが、何か他の理由があるのでは？

クリスロックの発言が海外で擁護される理由「白人差別された倍返しが当たり前なアメリカの風習」

そもそも、今回の騒動の原因となったクリス・ロックという人はどんな人物なのか？

クリス・ロックの経歴を簡単に紹介すると、彼はアメリカ出身のコメディアン。脚本家、俳優、映画監督といういくつもの肩書を持ち、アカデミー賞授賞式での司会進行役は今回で３回目になります。

最初に司会を務めたのは2005年。この時は特に騒ぎを起こすようなことはありませんでしたが、問題を起こし始めたのは2016年、2回目のアカデミー賞司会役の時でした。

この時のクリス・ロックはアジア人に対する差別発言をしたとして批判が続出。アジア系の俳優・女優からも抗議文が届き、これを受けてアカデミー広報が正式に謝罪しています。

ロックさんは授賞式で、アカデミー賞の集計は会計大手プライスウォーターハウスクーパーズが担っていると語り、ブリーフケースを持ちタキシード姿で登場したアジア系の子ども３人を、同社の「最も熱心で正確で働き者の担当者」として紹介した。

この冗談について、アジア系は頭が良く勤勉でよく働くというステレオタイプを助長するとして批判が噴出。台湾の映画監督アン・リーさん、日系米国人俳優のジョージ・タケイさん、韓国系カナダ人女優サンドラ・オーさんが連名で９日、アカデミーに公開書簡を送って抗議していた。

出典：CNN

しかし肝心のクリス・ロックは、差別発言が問題のあるものだったとは考えていない様子でした。後に「俺の冗談が気に入らないなら、スマホでツイートでもしてろ」という意図で、抗議したアジア系俳優たちへの配慮どころか、さらに怒りを煽るような発言をしています。

そしてアカデミー側は謝罪はしたものの、クリス・ロックは2022年に再び司会役に選ばれています。この対応を見る限り、少なくともアカデミー側はクリス・ロックの差別発言は大したものじゃない、と考えている印象が強いです。

ロックさんは自分の冗談への反発も予想していたらしく、「この冗談が気に入らなければ、自分の電話でツイートして。電話を作ったのもこの子たちだよ」と付け加えていた。

出典：CNN

今回の差別発言でも、クリス・ロックが冗談を言ったその瞬間、会場は笑いに包まれています。

１人1人が内心どう思っていたかは分かりませんが、会場全体では差別発言が問題だという雰囲気には全くなっていません。

ウィル・スミスが平手打ちするまでは、会場内には和やかな雰囲気すらあります。

アカデミー賞の会場ですらこんな雰囲気なのですから、アメリカ全土だと差別意識はもっと根深いものになっているはず。クリス・ロック本人がそう思っていないように、アメリカには今回の発言も差別発言だと思っていないような人々が大勢いるのでしょう。

アメリカは日本と違っていろいろな肌の色、人種が入り混じった国。1929年に始まって以来、100年近くの歴史を持つアカデミー賞の授賞式の雰囲気は、今のアメリカ人の差別意識そのものだと言えるでしょう。

さらにクリス・ロックの過去を遡ってみることにします。

彼は学生時代に白人からひどい差別を受けていたとのことですが、差別があまりにひどすぎたせいで、高校すら卒業できなかったという逸話があります。

クリスは主に白人でいっぱいの近所で育ちました。その結果、彼は肌の色のために他の白人の子供たちから絶えず抑圧され、いじめられていました。

残念ながら、若い若者は一貫した差別のために高校を卒業することができませんでした。

出典：Childhood Biography

クリスロックが海外では人気俳優であることは間違いありませんが、子どもの頃に白人差別を受けていたような人でも、平気でアジア人や病気の人への差別発言を繰り返してしまうようになるんですね。

クリスロックの両親は有名人というわけではありませんが、子どもの頃に差別を受けて帰ってきたクリス・ロックを優しく慰めたと言います。しかし成長したクリス・ロックは、アメリカでコメディアンとしてのスター街道を駆けあがるうちに、いつのまにか差別主義者になってしまった。

クリス・ロックの過去を踏まえると、彼の差別発言はかつて自分が白人から受けた差別のうっ憤を晴らしているように見えてしまいます。差別が当たり前のものとして受け入れられているアメリカの風習こそが、一番の問題なのかもしれませんね。

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