(画像)上関大橋通行止めで施工業者がページ削除?段差発生との関係は

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14日午後8時、山口県に掛かっている上関大橋で20センチの段差が発生し、乗用車1台が衝突する事故が発生しました。事故が報道された後、上関大橋の施工業者ホームページから上関大橋に関する記事が削除されていることが判明しました。

現在(11月21日午前9時時点)判明している情報をまとめていますが、新たな情報が入り次第更新していきます。

上関大橋を担当した施工業者のページが削除されていた

上関大橋の段差発生による事故が報道された直後、ふと上関大橋の施工業者について調べてみたところ、このような検索結果が出ました。(11月15日午前0時時点)

上関大橋管理会社の検索結果

検索結果の1番目に出てくる「川田建設株式会社」のページをクリックしたところ、なぜか「Not Found」が帰ってきました。何の気なしに検索してみましたが、事故直後にページが削除されているのは気になります。

川田建設株式会社

上関大橋保補修・補強工事 – 川田建設株式会社
東京都北区。橋梁事業、保全事業、プレキャスト事業、環境土木事業の4つの事業を中心に全面展開。地下貯水槽や鉄道高架橋構築の独自技術を保有。

該当ページはこちら↓
URL: http://www.kawadaken.co.jp/technologies/renovation/33/b.html

サイト削除

川田建設株式会社が上関大橋の補修を担当

続いて真ん中の「大之木ダイモ」の記事を見てみると、中は上関大橋を通った時の写真を載せたブログ記事で、上関大橋の建設とは何の関係もありませんでした。

最後に3番目の検索結果を見てみたところ、なんと上関大橋の施工業者が補習工事を行った時の報告書でした。こちらがその画像ですが、元ファイルには従業員の方と思われる人の名前が掲載されていたため、ファイルの一部にモザイクをかけています。

検索結果3番目

画像下に「施工者:川田建設株式会社」と書かれている通り、今から7~9年前の2011年~2013年の間に川田建設株式会社が工事を担当していたことは確かです。

これだけなら何の問題もなかったのですが、タイミングよくページが削除されていたことが気になったため、もう少し詳しく調べてみました。

上関大橋の修理履歴

施工業者である川田建設株式会社のホームページには現在も普通に入れました。トップページには最新情報として更新履歴が載っていましたが、つい最近ホームページをリニューアルしたようです。

この更新履歴を見る限り、事故が報道された後にホームページの更新はありませんね。

上関大橋補修「実績」はなく「技術情報」はあり

他のページを確認してみたところ、川田建設株式会社が過去に行ってきた補修実績が確認できるページが見つかりました。このページによると全国各地の工事を担当しているようですが、「中国地方」で検索をしても、今回ニュースで報道された上関大橋の実績はなぜか見つかりませんでした。

PDFで修理報告がネット上にupされているほどの立派な補修実績なのですが、一体なぜなんでしょうか。

続いて他のページを調べてみたところ、「技術情報」のページには上関大橋の修理内容が詳しく書かれていました。こちらのページの内容を検索結果から出てきた報告書と比べてみたところ、内容はピッタリ一致していました。

上関大橋補修・補強工事
本工事は、建設後44年を経過する海上橋における、塩害と中性化の複合劣化に対する補修・補強工事です。
・補修工事→断面修復工および含浸剤塗布工
・補強工事→炭素繊維シート貼付工、外ケーブル補強工

(追記)上関大橋の工事は川田グループ90周年サイトにも掲載

(11月15日追記)川田建設の所属する川田グループを調べてみたところ、90周年を記念する特設サイトにも上関大橋の補修工事が載っていました。今回の上関大橋の事故はグループ内でもあまり大きな問題にはなっていないようです。

ページ削除は火消し対応orリニューアル?

今回、上関大橋の補修工事を担当した川田建設株式会社について調べてみた結果、上関大橋の修理をしたことは報告書から分かりましたが、修理の実績はなぜかホームページに載せていないことが分かりました。

「Not found」だったページが事故のニュース前にもあったかどうかは不明ですが、もし事故の後にページを削除したのなら炎上に備えて削除した可能性があります。しかしそれでも技術情報は残っているので、川田建設株式会社がどう対応したいのかよく分かりません。

悪く見るなら、炎上対応したものの技術情報のページを消し忘れた。もしくは川田建設株式会社は今回の段差発生とは何の関係もないのかもしれません。川田建設株式会社が今回の事故に関係しているのかどうか、引き続き新しい情報を収集していきます。

(追記)上関大橋段差発生による事故の情報まとめ

(11月15日追記)今回段差が発生したのは山口県の南東部、長島との連絡橋になっている上関大橋です。上関大橋は11月14日の午後8時15分から上下線ともに通行止めとなっており、復旧のめどは立っていません。11月15日18時からは緊急車両のみ通行が可能とされています。

県道23号と上関大橋の連結部分には20センチもの段差が発生しています。これだけ大きな段差が発生した原因については現在調査中ですが、現地調査によりいくつかの事実が判明しています。

上関大橋の段差
出典:毎日新聞

山口県上関町の上関大橋の路面に高低差約20センチの段差ができ全面通行止めとなっている問題で、橋を管理する県の調査に同行した山口大大学院の麻生稔彦教授(橋りょう工学)は15日、約1時間半の目視調査で「橋全体にひび割れなど重篤な損傷は見られない」と述べた。橋桁が何らかの原因で跳ね上がったとの見解を示し「初めて見るケース。橋桁の端を詳細に見るべきだ」とした。

出典:中国新聞デジタル

段差がいつできたのかは不明ですが、突然できた段差には乗用車が衝突しフロント部分が大破。この事故で男女2人が病院に運ばれましたが命に別状はありませんでした。

段差が発生したのは上関大橋の連絡部分、室津灯台がある山口県がわです。上関大橋は本州と長島をつなぐ唯一の連絡橋のため、今回の事故で上関大橋の交通は完全ストップ。

代わりの輸送手段として、町役場は住民移動のための臨時船を運航を15日から開始。24時間体制で室津渡船場-上関渡船場の間を24時間態勢でピストン輸送しています。

上関大橋は全長200メートルの橋で、完成したのは1969年(昭和44年)6月。2019年には開通50年の記念式典が行われるほどの古い橋です。当時としてはかなり大規模な橋だったようですね。

橋の完成後、2013年には耐震補強の工事が行われています。その後は2017年に定期点検が入りましたが、当時は「異常なし」だったとのこと。

(追記)上関大橋通行止めが一部解除

(11月21日追記)県の安全調査が進み、11月18日18時から通行止めが一部解除されました。上関大橋の橋そのものの強度に問題はないと確認が取れたためです。

しかし全面解除という訳ではなく、通行できるのは片側車線のみ。さらに詳しい情報は以下の通りです。

・通行できるのは普通自動車、二輪車、原付、自転車、2トン以下トラックのみ
 ※2トン以下のトラックは「荷物の最大積載量が2トン以下のトラック」のみ
・安全のため、一度に橋の上を通れるのは1台ずつ
・強風時にも通行止め
 ※(風速20メートル→人・二輪車、風速30メートル→車両 通行止め)
・橋の状況確認のため、カメラによるモニタリングを行う
・今後も調査、工事のため再度通行止めになることも

(追記)上関大橋事故原因が一部判明

(11月21日追記)その後の調査により、上関大橋の事故原因が少しですが明らかになりました。県の調査によると、橋に20センチの段差が発生した原因は橋桁と橋台をつなぐアンカーが損傷したためという可能性が出てきました。

上関大橋はヒンジラーメン形式という形をしていますが、上関大橋の中央部が重いせいで橋桁の部分には元々から上向きの力が加わっています。今までは橋桁の部分にアンカーを設置することでその力に対抗していたのですが、何らかの原因でそのアンカーが損傷したのでは?と言われています。

実際、事故後の調査により橋中央部の高さが1センチほど沈下していることが判明しました。アンカーが損傷したことで橋の重量バランスが元通りになり、その結果橋桁の部分が20センチ浮き上がってしまったということになります。

上関大橋事故原因
出典:日経XTECH

しかし問題は、アンカー自体が橋桁に埋め込まれていること。アンカーの状態が確認できないため、事故原因が確定とはまだ言えない状態です。

もし本当にアンカーが損傷していれば、今後さらに橋の浮き上がりが進む可能性もあるため、県は事故原因の調査と橋の浮き上がり悪化の検討を同時に進めているとのことです。

上関大橋の橋桁部分
出典:日経XTECH

(追記)極東興和株式会社がケーブル工事を担当

(11月15日追記)さらに情報を集めたところ、川田建設株式会社以外の業者も上関大橋の工事を担当していたことが分かりました。極東興和株式会社(株式会社ビーアールホールディングス)の報告書によると、上関大橋の工事では「大容量外ケーブル工法」では外ケーブルの構造を担当していたようです。

しかし今回上関大橋で発生したのは橋の連結部分のズレなので、ケーブルが原因で不具合が発生した可能性はおそらく低いかと思われます。

極東興和株式会社の工事内容
出典:ビーアールホールディングス 第10期中間報告書 4ページ

上関大橋は山口健柳井市内の瀬戸内海沿岸部に架かる大規模橋梁で、3径間連続有ヒンジ箱桁橋と呼ばれる構造形式です。本工事は「大容量ケーブル工法」「炭素繊維シート接着工法」「コンクリート増厚工法」といった、代表的な補修工法を駆使して老朽化した橋梁を補修する工事です。
これらの工法のうち「大容量ケーブル工法」では、当社が蓄積してきたPC橋の設計・施工技術を活かして、発注者、設計会社と一体となり、安全かつ合理的な外ケーブル構造を提案し、施工しました。

(追記)下請け工事担当の施工業者が判明

(11月17日追記)その後の調べで、上関大橋の下請け工事を担当していた施工業者が2社判明しました。一つは山陽ロード工業株式会社、もう一つは有限会社 栗栖工業です。どちらも会社ホームページに工事実績が載っていましたが、詳しい工事の内容までは不明です。

山陽ロード工業が下請け工事を受注したのは平成25年度と26年度。つまり2013年度~2014年度とのことになりますが、2013年という時期は川田建設株式会社が工事を請け負った時期と一致します。

しかし2014年度に川田建設株式会社が工事をしていた記録はまだ見つかっていません。途中で業者が変わったのでしょうか?

一方で有限会社 栗栖工業も下請け業者で、工事は大海建設工業(株)から受注しているようです。そこで大海建設工業(株)の情報を調べたところ、平成31年度(=2019年度)の受注記録が見つかりました。

しかしこの年の受注案件は「第2工区」。おそらく以前も「第2工区」を受注して下請けに出していたのでしょう。ここに来て新たな会社の名前が出てきましたが、川田建設株式会社との関係はどうなっているのか?引き続き調査を進めます。

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